【管理栄養士監修】1日1食ダイエットは危険?効果とデメリット・安全なやり方を解説

  • 2024年6月19日
  • 2025年10月30日
  • コラム
1日1食ダイエットで痩せるスピードは早くなる


管理栄養士監修者プロフィール_石川いずみさん

この記事の監修者
管理栄養士 石川 いずみさん
医療系企業にて管理栄養士として勤務し、年間100件以上の個別栄養相談を担当。加齢に伴う健康課題や女性のライフステージに応じた栄養管理、若年層の食生活改善まで、幅広い年代への指導経験を持つ。現在はフリーランスとして、管理栄養士の知見を活かし、健康・食分野の記事執筆や監修を中心に活動中。

食事の回数を1日1回に減らす「1日1食ダイエット」
著名人が実践する方法として注目され、「短期間で痩せた」という声もあり、気になっている人も多いのではないでしょうか?

しかし、1日1食は大きな健康リスクを伴う可能性があり、専門家の間でも意見が分かれる方法です。

この記事では、管理栄養士の監修のもと、1日1食ダイエットのメリットと、それ以上に知っておくべき深刻なデメリット(危険性)、そして「もし実践するなら」の安全なやり方について徹底解説します。

目次

1. 1日1食ダイエットとは?

1日1食ダイエット

食事は1日1回だけ。タイミングや内容は比較的自由

「1日1食ダイエット」とは、文字通り1日の食事を1回だけに減らすダイエット方法です。
ルールは非常にシンプルで、食事のタイミング(朝・昼・夜)や、その1食で何食べるかについては比較的自由とされています。

1日の総摂取カロリーが大幅に減るため、体重が落ちやすいのは事実です。しかし、その裏には大きな落とし穴があります。

2. なぜ痩せる?1日1食のメリット

1日1食にするメリット

まず、1日1食で痩せると言われる主な理由(メリット)を見てみましょう。

  1. 摂取カロリーの大幅な減少
  2. オートファジーの活性化
  3. 胃腸が休まる
  4. 時間に余裕ができる

1. 摂取カロリーの大幅な減少

最も大きな理由です。1日3食から1食になれば、単純に2食分の摂取カロリーが減るため、消費カロリーが摂取カロリーを上回りやすくなり、体重減少につながります。

2. オートファジーの活性化

空腹の時間が16時間以上続くと、「オートファジー(自食作用)」という仕組みが働きます。これは、細胞が古くなったたんぱく質を分解・リサイクルする働きで、細胞の生まれ変わりやアンチエイジングに寄与すると言われています。

3. 胃腸が休まる

食事の回数が減ることで、消化活動を行う胃腸の休息時間が長くなります。これにより、胃もたれなどの不調が改善する可能性も指摘されています。

4. 時間に余裕ができる

食事の準備や食べる時間が減るため、その時間を仕事や趣味などに使えるというメリットもあります。

3. 【管理栄養士が警鐘】1日1食の5つの深刻なデメリット・危険性

1日1食にするデメリット

メリットがある一方で、1日1食には健康を害する可能性のある深刻なデメリットが存在します。特に以下の5点は、実践前に必ず理解してください。

  1. 深刻な「栄養不足」と「筋肉減少」
  2. 最も危険な「血糖値スパイク」のリスク
  3. 筋肉減少による「リバウンドしやすい体質」への変化
  4. 食事量が減ることによる「便秘の悪化」
  5. 我慢による「ストレスとドカ食い」のリスク

1. 深刻な「栄養不足」と「筋肉減少」

管理栄養士
石川いずみさん
1日1回の食事で、体に必要なすべての栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維)をバランス良く摂取するのは至難の業です。

特に、筋肉や皮膚、髪の材料となるたんぱく質は、一度に吸収できる量に限界があります。1食で大量に摂ってもすべてが利用されるわけではなく、不足分は自分の筋肉を分解して補おうとします。

その結果、筋肉量が減少し、基礎代謝が低下。体力や免疫力の低下、肌荒れや髪のパサつきといった不調にもつながります。
また、食物繊維やビタミン・ミネラルも不足しがちで、便秘や慢性的な疲労感の原因となります。

2. 最も危険な「血糖値スパイク」のリスク

管理栄養士
石川いずみさん
1日1食で最も懸念すべきは「血糖値スパイク(食後高血糖)」です。長時間の飢餓状態の後に食事を摂ると、血糖値が爆発的に急上昇し、それを下げるためにインスリンが大量に分泌されます。

この血糖値の乱高下は、血管に大きなダメージを与え、動脈硬化を促進します。
それだけでなく、強い眠気や集中力の低下を引き起こしたり、長期的には糖尿病のリスクを大幅に高めたりする危険な状態です。

3. 筋肉減少による「リバウンドしやすい体質」への変化

デメリット1で解説した通り、1日1食は筋肉量が減りやすい状態です。筋肉量が減ると、じっとしていても消費されるカロリー(基礎代謝)が落ちてしまいます。

つまり、1日1食で一時的に痩せても、それは脂肪だけでなく大切な筋肉も失った結果かもしれません。
この状態で食事を2食や3食に戻すと、基礎代謝が落ちた体はエネルギーを消費しきれず、以前よりも格段に太りやすく、リバウンドしやすい体質になってしまうのです。

4. 食事量が減ることによる「便秘の悪化」

食事の絶対量が減ると、便のカサ(量)も減ってしまいます。また、腸は食べ物が消化されることで刺激を受けて動く(蠕動運動)ため、食事回数が減ると腸の動き自体も鈍くなります。
結果として、便秘がちになったり、悪化したりするケースが多く見られます。

5. 我慢による「ストレスとドカ食い」のリスク

強い空腹感を長時間我慢することは、大きなストレスになります。ストレスは食欲を増進させるホルモンの分泌を促すため、唯一の食事で「ドカ食い」や「早食い」を招きがちです。
ドカ食いは血糖値スパイクをさらに助長し、結果的に太りやすくなる悪循環に陥ります。

4. 管理栄養士が教える!1日1食を安全に行うための条件と対策

1日1食ダイエットを無理なく実践する方法

ここまで解説した通り、管理栄養士の立場からは、1日1食は基本的におすすめできません。
それでも試してみたい場合は、以下の「安全に行うための条件と対策」を必ず守ってください。

  1. まずは「1日1食が向かない・危険な人」をチェック
  2. 唯一の食事で「何を食べるか」が最重要
  3. 血糖値スパイクを防ぐ「食べ方」の工夫
  4. 空腹がつらい時の「補食」の選び方
  5. 水分補給を徹底する
  6. 短期間から試す・体調不良時は即中止

1. まずは「1日1食が向かない・危険な人」をチェック

以下に当てはまる人は、1日1食ダイエットを絶対に行わないでください。

  • 成長期(中学生・高校生など)
  • 妊婦・授乳婦
  • 高齢者(特に筋肉量が減っている方)
  • 糖尿病(または血糖値に異常を指摘されている方)
  • 摂食障害の既往がある方
  • すでに痩せ型(BMI18.5未満)の方
  • 医師から何らかの治療を受けている方

2. 唯一の食事で「何を食べるか」が最重要

1食で栄養を補うため、その食事内容が極めて重要です。

管理栄養士
石川いずみさん
唯一の食事は、「まごわやさしい」を意識した和定食のイメージが理想です。
  • :豆類(豆腐、納豆など)
  • :ごま(ナッツ類)
  • :わかめ(海藻類)
  • :野菜(緑黄色野菜・淡色野菜)
  • :魚(特に青魚)
  • :しいたけ(きのこ類)
  • :いも類

これらに加え、肉や卵もしっかり摂り、たんぱく質を確保しましょう。炭水化物(ご飯)は、食物繊維が豊富な玄米や雑穀米を適量(茶碗1杯程度)にするのがおすすめです。

避けるべき食事:
ラーメンだけ、菓子パンだけ、パスタだけ、といった「単品食べ」は、栄養不足と血糖値スパイクを招く最悪の選択です。

3. 血糖値スパイクを防ぐ「食べ方」の工夫

何を食べるかと同じくらい、「どう食べるか」も重要です。

  • ベジファースト(野菜から食べる): 食事の最初に野菜や海藻、きのこ類(食物繊維)から食べましょう。食物繊維が糖の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を防ぎます。
  • ゆっくりよく噛む: 早食いは血糖値スパイクの元です。最低でも20分以上かけ、一口30回を目安によく噛んでください。

4. 空腹がつらい時の「補食」の選び方

いきなり1日1食にするのではなく、どうしても空腹が辛い場合は、血糖値を上げにくい「補食」を活用しましょう。

管理栄養士
石川いずみさん
「間食」ではなく「補食(栄養を補う)」という意識が大切です。
  • 推奨する補食: 素焼きナッツ、無糖ヨーグルト、ゆで卵、チーズ、小魚、プロテインバー(糖質の低いもの)
  • 避けるべき間食: スナック菓子、菓子パン、清涼飲料水、糖分の多いジュース

5. 水分補給を徹底する

食事回数が減ると、食事から摂る水分も減ってしまいます。脱水や便秘を防ぐため、1日1.5〜2リットルを目安に、水やお茶(ノンカフェイン推奨)をこまめに飲みましょう。

6. 短期間から試す・体調不良時は即中止

まずは週末だけ、あるいは1日2食から試すなど、徐々に体を慣らしましょう。
少しでも体調不良(めまい、強い倦怠感、集中力の低下など)を感じたら、すぐに中止してください。

5. 1日1食ダイエットの3つの事例を紹介!

ここからは、実際に1日1食ダイエットを実践した人たちの具体的なルールをご紹介しましょう。それぞれ独自のルールを設けてチャレンジしているので、ぜひ参考にしてみてください。

※以下はあくまで個人の体験談であり、効果を保証するものではありません。

【1週間で-2キロ】夜だけ1食をゆるいルールで行う

1日1食ダイエットの事例1

  • 食事のタイミングは夜
  • 食べたい日は2食食べる
  • 土日は好きなだけ食べる
  • 間食やフルーツジュースはOK

1週間のチャレンジは初心者におすすめのスタイルです。しかも、食べたい日は2食、土日はチートデイなど、ルールはかなりゆるめです。

それでも、この方法を実践した方は-2キロの減量に成功しており、結果は上々。ストイックになり過ぎないことがうまくいく秘訣なのかもしれませんね。

【1カ月で-6キロ】食材にこだわりながら行う

1日1食ダイエットの事例2

  • 動物性たんぱく質はなるべく摂らない
  • 無農薬や無添加の食材を選ぶ
  • 人と約束がある日は自由に食べる
  • 1日2食の日があってもOK

こちらの1日1食生活は、食材選びにこだわるスタイル。お肉類はあまり食べず、無農薬野菜や無添加の調味料などを選んで食事を楽しんでいます。

1日1食になると、その1食分をいかに大事に味わうかということに意識が向くようになる人もいます。また、3食の頃よりも食費が減るので、少し値段が高い食材にも手が届きやすくなります。

【3ヶ月で-10キロ】適度な運動も取り入れて行う

1日1食ダイエットの事例3

  • 食事は夕方から20時までの間に
  • 野菜を多め・肉は食べない
  • ストレッチやスクワットを取り入れる
  • 飲み会や食事会はOK

1日1食ダイエットを3ヶ月続けると、10キロ痩せることも珍しくありません。また、軽めの運動を適度に取り入れれば、脂肪の燃焼はさらに進みます。

食事に関するルールでは、お肉を食べない、あるいは体が肉類をあまり欲しなくなるという人が多いようです。代わりに魚・納豆・卵など、良質なたんぱく質を多く含む食材で補うことがポイントです。

6. 栄養バランスが不安なら「宅配弁当」の活用も

「安全なやり方」で解説した通り、1日1食で完璧な栄養バランスを自炊で整えるのは非常に困難です。
もし栄養不足が心配な場合、その1食を「栄養管理された宅配弁当」に置き換えるのも現実的な選択肢の一つです。

管理栄養士
石川いずみさん
自炊が難しい場合、高たんぱく・低糖質で栄養バランスが計算された冷凍弁当を活用するのは賢い方法です。特に、筋肉量を維持するために「たんぱく質が20g以上」摂れるものを選ぶと良いでしょう。

ここでは、1食の置き換えに適した宅配弁当サービスを紹介します。

筋肉食堂DELI

会社 TANPAC株式会社
価格 約450円~1,150円
送料 780円~
ダイエットプラン
購入方法 定期購入(1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、1ヵ月に1回)
保管・調理方法 冷凍→レンジ
主食 メニューによって有り
購入先 公式サイトはこちら

高たんぱく・低カロリーのメニューが特徴のレストラン「筋肉食堂」が手がけるのが、レストランの本格的な味を再現した「筋肉食堂DELI」です。

ダイエットコースやバルクアップコースなど、目的に応じたコースに分かれ、1食分のボリュームはどのコースも多め。たんぱく質をしっかり摂りたい方に最適なメニューが揃っています。

管理栄養士
石川いずみさん
【チェックポイント!】
たんぱく質量が非常に多く(平均30g以上)、筋肉を落としたくない人に最適です。糖質も抑えられており、1食の質を高めるのに役立ちます。
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ライザップサポートミール

会社 RIZAP株式会社
価格 約830円~870円
送料 600円~
ダイエットプラン
購入方法 都度購入・定期購入(2週間に1回、3週間に1回、1ヵ月に1回、2ヵ月に1回、3ヵ月に1回、)
保管・調理方法 冷凍→レンジ
主食 無し
購入先 公式サイトはこちら

「ライザップ サポートミール」はライザップがボディメイク用に開発した高たんぱく・低糖質の宅配弁当です。

1食あたり糖質10g前後・たんぱく質18g以上・野菜やきのこ類が100g以上と栄養バランスはバッチリ。糖質がかなり低めなので、ご飯やパンも安心して食べられます。

管理栄養士
石川いずみさん
【チェックポイント!】
糖質10g前後と徹底して糖質を管理しつつ、たんぱく質もしっかり摂れるメニュー構成です。血糖値スパイクが気になる方にも適しています。
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Muscle Deli(マッスルデリ)

会社名 株式会社Muscle Deli
価格 約1,060円~1,160円
送料 無料
ダイエットプラン
購入方法 定期購入(1週間に1回、2週間に1回)
保管・調理方法 冷凍→レンジ
主食 有り
購入先 公式サイトはこちら

「Muscle Deli(マッスルデリ)」の宅配弁当は男性ダイエット用や女性ダイエット用などに分かれており、高たんぱくで低脂質のメニューが豊富に揃っています。

また、玄米・パスタ・焼きそばなどの主食が付くのも大きな特徴。糖質の量もしっかり計算されているので、摂り過ぎる心配がありません。

管理栄養士
石川いずみさん
【チェックポイント!】
体格や目的に合わせてプランが選べるのが特徴です。1食に必要な栄養素がバランス良く含まれています。
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1日1食ダイエットにおすすめの宅配弁当は他にも!

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7. まとめ:1日1食ダイエットはリスクを理解して判断しよう

この記事では、1日1食ダイエットのメリット、デメリット、そして安全な実践方法について解説しました。

1日1食ダイエットは、摂取カロリーが減るため短期間で体重が落ちる可能性はあります。しかし、それは深刻な栄養不足や筋肉量の減少、血糖値スパイクといった大きな健康リスクと引き換えになる可能性があります。

健康的な体を維持・増進するためには、基本的に1日3食をバランス良く食べることが推奨されます。

もし1日1食を試す場合は、「食べ過ぎた翌日だけ」など期間を限定し、ご自身の体調を最優先してください。そして、その1食は栄養バランスを最大限に考え、今回解説した「安全なやり方」を守りましょう。少しでも異変を感じたら、すぐに中止し、バランスの良い食事に戻すことが重要です。